1月31日16時から、超党派「MANGA議連」(マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟)の総会を開催。
議員会館では珍しいカラーイラスト広報チラシや、知名度の高い講演者、マンガ生原稿の展示会などの予告効果もあって、所属議員数は一気に110名に到達(※全ての与野党から加入)。今回だけでも議員参加60名・秘書参加63名という大賑わいになりました。
冒頭から城内実大臣、阿部俊子大臣、林芳正官房長官からの挨拶があり、エンタメ・コンテンツへの期待度がうかがえます。 次に、文科大臣政務官である赤松が挨拶。続けて文化庁と経産省がMANGA関連の施策を説明しました。

さて、ここからは業界関係者からのヒアリングです。
最初はちばてつや先生。昨年末にマンガ家としては初の文化勲章を受賞されたちば先生へ、MANGA議連からお祝いの花束が贈呈されました。 ちばてつや先生は、

  • マンガはかつて「悪書追放運動」のやり玉に挙がったことがある。
  • しかし今はみんながマンガやアニメやゲームを大事にしてくれている。
  • 『あしたのジョー』などで原画保存の実証事業に協力している。
  • 他の作家の原稿も劣化しつつあり、適切な保存が必要。
  • そのためにもセンターをぜひ実現してほしい。

という内容の講演を行いました。

次はマンガ海賊版対策などを行うABJから、森田浩章氏(講談社)と伊東敦氏(集英社)が、ベトナムやインドネシアでの海賊版の現状などを説明。議員からは被害推定額の大きさに驚きの声が上がっておりました。

ここでいきなり会場が暗転し、ジークアクスのPVが!庵野秀明監督の講演です。

庵野監督は、

  • アーカイブの早期実現は時間との戦い。もはや年単位ではなく月単位で進めてほしい。
  • 現場にいると本当に人が足りない。だから制作がどんどん遅延する。
  • アニメ業界は昔ブラックと言われていたが、今はかなり改善された。悪いところばかり取り上げずに、アニメ業界の経済状況が良いところもマスコミには取り上げてほしい。
  • 海外のようにタックスクレジットなど税制優遇制度があると、制作を頑張っているスタジオが体力を少しでも維持できる。国からの補助を切望する。

と講演されました。

これらのヒアリングに関して、文化庁や経産省からコメント。また与野党の議員からも質問があり、里中満智子先生や森川ジョージ先生らが回答されました。

ところで、MANGA議連では以前から「生原稿の保存」について検討することが多かった割に、生原稿を一度も見たことが無い議員が殆どだったことから、今回は特別に『はじめの一歩』などの本物の生原稿を展示。そして「生原稿を保存する意義」の説明文も添付し、多くの議員や参加者たちが、その理解を深めることができたのではないかと思います。