先日オープンした赤松健秋葉原事務所ですが、連日多くの人にご来所いただいており、大変感謝しております。前例のない、親しみやすく立ち寄りやすい、そして学びのある事務所を目指しております。
1階では私がこれから取り組んでいきたい政策の全体像を説明するパネルや、漫画家の仕事道具である液晶タブレットなどを展示しています。2階では赤松健の過去作品の原画の展示と、原画にまつわる政策の一部を掲示しております。
今回のnoteでは、原画の展示を通じて訴えたかった「創作物のアーカイビング支援」について書こうと思います。
私たちの身の回りにはすでに数多くのマンガ作品がありますが、過去に刷られたマンガはそのページの数だけ、作者が心血を注いで作成した原画の1枚1枚が存在しています。最近は液晶タブレットを使用したデジタル執筆が主流になっているので、紙の原画はさらに希少なものになりつつあります。
原画は印刷物の版下原稿であって、本という形になって初めてマンガは読者に読まれるものとしての価値を持ちます。「原画自体は印刷したら価値はない」とおっしゃる作家の方もいらっしゃいます。確かに原画だけをいくら作っても、刷らなければマンガ家として食べていくことはできません。挙句の果てには、原画の保管場所に困り、処分してしまったということもよくあるようです。
日本には、かつて「浮世絵」が陶器の包み紙として海外に渡り、それが芸術作品として認められ、我々日本人がその価値に気づいた頃には、そのほとんどが国外に流出してしまっていた歴史があります。現在、世界中で日本のマンガは親しまれ、様々な作品が多様な言語で出版されています。そして原画は美術品としてもその価値を認められ始めています。浮世絵と同じ歴史を繰り返さないためにも、原画は日本マンガ界を支えた文化遺産として、後世のために適切に保護・保管すべきものではないでしょうか。
特に、新人の漫画家さんにとっては「原画を見て初めて分かる技術や表現」もあるでしょう。そこから湧いてくるインスピレーションも大切です。
私、赤松健は漫画のみならず、あらゆる創作物のアーカイブ(安全に保存すること)支援、そしてデジタル化支援に取り組んでいきます。