2022.6.22

インボイス制度に反対です

私は、表現の自由にとって極めて問題のある軽減税率制度そのものに賛同できず、もともとインボイス制度には反対でした。新聞は生活必需品として税率8%、書籍や雑誌はそうではないとのことで税率が10%、やはりこのようなことは納得できません。国会審議においては、有害図書は10%、それ以外の書籍や雑誌は8%という議論もありましたが、そのようなことは納得できる・できないの問題ではなく、表現の自由の観点から到底許されないものです。国家が書籍や雑誌全般について有害かそうでないかを判断することなどあってはならないからです。また、その判断を民間にゆだねることは税率の定めは法律によらなければならないという租税法律主義に反します。複雑で税率の定め方に多くの問題をかかえる軽減税率制度は、今でも採用するべきではなかったと考えております。

もっとも、軽減税率制度もそれに伴い導入されたインボイス制度も、国会審議において民主的なプロセスを経て決められたものであり、そのことは最大限尊重する必要があります。そのため、これまでは、現状のインボイス制度を前提として、いかにフリーランスへの不利益を解消できるかという方針で活動をしてきました。

ここ2年ほど、ときには山田太郎議員とともに、ときには私一人で、いろいろな取組みをしてきました。さまざまな当事者からヒアリングを行いましたし、所管省庁である財務省や国税庁、中小企業や公正取引委員会等に不利益を最小化するよう要請を出して独禁法の解釈の公表や支援策の予算措置をしてもらったりもしました。また、親事業者である出版社やアニメ制作会社に対して、フリーランスの保護やマンガやアニメ業界の発展のため、インボイス制度実施後もこれまで通りに取引を継続し取引対価の引下げをしないことをお願いし、それに賛同してもらったりもしました。手前みそながら、一定の成果を出すことができたと自負しております。

しかし、いよいよインボイス制度の実施を来年に控えた現在でも、フリーランスへの不利益の大部分は解消できていません。適格請求書発行事業者になれば、事務負担が増え、消費税納税によって手元に残るお金が減るのではないか、免税事業者のままだと、一方的な取引の停止や取引対価の引下げをされるのではないか、残念ながら、そういった懸念の多くは払拭できていません。このまま来年10月をむかえれば、日本のマンガ・アニメ・ゲーム業界を支えているフリーランスの人たちが大変なことになってしまいます。そこで、現状のインボイス制度を前提としたさまざまなお願いをご快諾いただいた出版社やアニメ制作会社の方々には大変申し訳ない気持ちがありますが、現状のインボイス制度には反対せざるをえないと考えております。

このまま現状のインボイス制度がはじまれば、長時間労働や低賃金で悩む方が多いフリーランスに、更なる長時間労働と更なる賃金の低下といった多大な不利益が及びかねませんが、そのようなことはあってはなりません。

そもそも、2019年10月1日の消費税引き上げ時より軽減税率制度が導入されていますが、これまではインボイス制度なしで社会が回ってきました。インボイス制度なき軽減税率制度ということも真剣に検討すべきです。

また、適格請求書発行事業者である免税事業者を認める制度というものもあり得ると思います。

昨今のスタグフレーションのリスクへの対策として、一時的な消費税減税を行い、インボイス制度の凍結や廃止をするのであれば、それにも賛同できます。

2016年に軽減税率制度及びインボイス制度の導入が決定された際にはほとんど国会で取り上げられなかったフリーランス政策ですが、この6年間で大きく事情が変わりました。政府の主要政策にもなり、フリーランス保護の重要性は広く国民にも浸透してきました。

インボイス制度は、国会審議において決められたものではありますが、フリーランス保護の観点から見直すべき状況に来ています。

先日、私の主導で、漫画家から岸田総理に対して、成長コンテンツとしての漫画の重要性や、国際平和や外交にも貢献できる漫画の可能性等について、岸田総理に伝えるための車座座談会を開催しました。

私は今回の参議院議員選挙の一公認候補予定者にすぎませんでしたが、その場で、マンガやアニメやゲームにも多いフリーランスが、インボイス制度の実施によって多大な不利益を受けてしまうこと、そのために現状のインボイス制度は見直しが必要であることを直訴しました。

私は、自民党内での派閥に属しているわけではありませんので、すべての政策は自分の信念に基づいて決めます。そして、決めた以上は、何としてもそれを実現するために最善を尽くします。

党からの注意や最悪の場合には公認取消しの可能性があったとしても、必要なことはしっかりと訴えていきます。

待遇面や事務負担の増大、個人情報である本名の公表等、フリーランスに対してさまざまな不利益を及ぼす現状のインボイス制度には反対し、十分なフリーランス保護が図られる政策の実現を目指します。

赤松健